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日本人コロナウイルスの初期症状は?『SARS-CoV-2 →COVID-19』の基礎知識と発生源から感染対策まで説明します!

ついに東京オリンピックが延期になり、志村けんさん、チャールズ皇太子までが感染したコロナウイルスですが、その猛威はまだまだ収まる気配がありません。

過去、WHOから2009年以降、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」が宣言されたのは、わずか5回です。

09年に世界的に流行した豚インフルエンザ、14年にアウトブレイクしたポリオ、同じく14年にアウトブレイクした西アフリカのエボラ出血熱、15年にアウトブレイクしたジカウイルス、19年にコンゴ民主共和国で再度アウトブレイクしたエボラがこれにあたります。

そんな状況で、コロナウイルスの基本知識を得ていただくために、本日お伝えしたポイントは大きく分けて3つです。

1、コロナウィルスとは?
2、コロナウィルスの発生源
3、コロナウィルスの初期症状

になります。

コロナウィルスとは?

あらためて、まずコロナウイルスとは?からいきましょう。

コロナウイルスとは多数のウイルスを含む集団の総称で、ヒトと動物の両方に感染することが知られています。

ヒトに感染すると、一般的な風邪から重度の感染症まで、幅広い呼吸器疾患を引き起こします。

新型コロナウイルスは、ヒトに感染する7種のコロナウイルスのうちのひとつです。

最もよく知られているコロナウイルスの流行はSARSです。2002年に中国南部で初めて発見されて以降、26カ国に感染を広げ、8,000件以上の症例が確認されました。

そしてこの新型ウイルスは、いったいどれだけ恐ろしいものなのでしょうか?

どうやって感染が広がるのか?

研究者たちは、「SARS-CoV-2」がヒトの間でどのように広がっていくのかを解明している最中です(SARS-CoV-2は新型コロナウイルスの正式名称)。このウイルスから感染する感染症の正式名称が『COVID-19』です)。

せきやくしゃみで飛沫感染する可能性が高く、潜伏期間は2日から14日とされています。

つまり、発熱やせき、息苦しさなどの症状が現れる前でも、しばらくの間ほかの人たちに感染させる可能性があるということになります。

感染を予防するには?

とにかく手を洗うこと。そして手を洗い、手を洗う。それに尽きるだでしょう。そしてデヴァイス類はすべて除菌したほうがいいですね。

手と同様に、スマートフォンやパソコンのキーボード、ヘッドフォンなどにもウイルスは付着します。

「コロナウイルス COVID-19」はインフルエンザより怖いのかどうか?

それはいまのところ、何とも言えません。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の事前推定によれば、19~20年シーズンのインフルエンザの患者数は1,900万人から2,500万人、死者数は最大で25,000人でした。

一方、コロナウイルスの患者数、死者数を推定するのは難しいですね。感染している人の数が、はっきりまだわかっていないからです。

CDCの推定によれば、「コロナウイルス」の死亡率は約2パーセントで、インフルエンザより高いのです。

ですが、症状があまり重くない患者の数が報告に含まれていない可能性もあります。

症状の軽い患者は病院に行かない場合もあるし、患者によってはインフルエンザや普通の肺炎と間違えられている場合もあるかもしれません。

「コロナウイルス」とインフルエンザの最も大きな違いは、インフルエンザの場合は医療制度の備えができているという点です。

インフルエンザは毎年流行する。ほかの年よりも重症を引き起こすウイルスが流行する年もありますが、それでも医師たちは治療の方法、予防の方法を知っています。

これに対して「コロナウイルス」は未知の分野です。どのように広がるのかなど、わからないことがまだまだあります。それに治療用のワクチンがまだありません。

世界各国の政府が新型コロナウイルスに接触した可能性のある人々を隔離しているのも、それが理由です。

1本のRNA(リボ核酸)

ここからは少し細かい話になりますが、

コロナウイルスは、1本のRNA(リボ核酸)からできており、その遺伝物質は小さなスパイクたんぱく質(とげ状のたんぱく質)が突き出した薄い膜に囲まれている。

顕微鏡で見ると、それらのたんぱく質はウイルスの上を取り巻く輪からトゲのように突き出ている。この外観により、「王冠」を意味するラテン語の「コロナ」(corona)から名前づけられました。

コロナウイルスが体内に入ると、それらのスパイクたんぱく質が宿主の細胞にくっつき、細胞の核にRNAを注入します。

そして器官を乗っ取り、さらにウイルスを増やしていきます。こうして、感染が起きるのです。

感染の重症度は、ふたつの要因に左右されます。

ひとつは、人体のどの部分にそのウイルスが付着しやすいかですね。普通の風邪を引き起こすコロナウイルスのように、症状が比較的重症ではないコロナウイルスは、鼻やのどなどの気道の上部に付く傾向があります。

これに対して、もっと悪質なコロナウイルスの一種は、肺や気管支にとりつき、さらに重い感染を引き起こします。

例えばMERSウイルスは、気道のもっと下の部分や消化管のたんぱく質にとりつくので、呼吸障害だけでなく腎機能障害も引き起こすことがあります。

コロナウイルスの発生源

次に、コロナウィルスの発生源についてです。

世界保健機関(WHO)の中国事務所が未知のウイルスについての第1報を受けたのは、2019年12月31日のことでした。初期の症例は武漢の病院が重症の肺炎の患者の治療にあたった際に、これまでとは異なる症状であることが認識されたそうです。

このウイルスは、のちに新型コロナウイルスであることが判明し、人口が1,100万人以上の武漢市で集団発生した肺炎の原因となっています。

感染の大半は中国の国内で発生したが、米国やフランス、オーストラリア、イタリア、スペイン、日本、カナダ、韓国、インドも感染を広げています。

MERSやSARSを引き起こしたコロナウイルスと同様に、新型コロナウイルスもコウモリが由来ではないかと考えられています。しかし、コウモリからどのようにヒトに感染したのか、そして最初の感染がいつだったのかは、はっきりわかっていないとされていますが、おそらくこのとおりです。

武漢市の海鮮市場から

ウイルスは武漢市の海鮮市場で発生したと考えられています。ここではリス科の動物であるマーモットや鳥、ウサギ、コウモリ、ヘビなどの野生動物が違法に取引されています。

これはあくまでも噂ですが、生物兵器の実験台に使っている動物が違法で売られているとも聞きます。恐ろしいですね。

コロナウイルスは動物から人に感染することが知られているため、主に海鮮市場の屋台の店主からなる集団が、動物との接触を通じて最初に新型肺炎に感染したものと考えられています。

武漢病毒研究所のウイルス学者のチームは詳細な論文を発表し、新型コロナウイルスの遺伝子構造の96パーセントがコウモリに見られるコロナウイルスのそれと一致していることを明らかにしました。

コウモリからの可能性が大

コウモリはSARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスの発生源でもあります。

病原体は、仲介となる「病原体保有動物」を介して感染することが多く、コウモリから別の動物に感染し、その動物からつくられる生成物にヒトが接触する流れです。

その生成物はミルクのこともあれば、調理が不十分な肉のこともあります。ときには、粘液や糞尿の場合もあります。

MERSの場合はラクダからヒトに感染しましたし、SARSは中国・広州市の生きた動物の市場で売られていたハクビシンから感染しました。

コロナウイルスのなかには、このように動物からほかの動物へと感染するものもあるが、しないものもあります。

その理由は科学者たちにもわかっていないそうです。

コロナウイルスの初期症状について

最後に他人事ではない、コロナウイルスの初期症状について、確認しておきましょう。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、日本でも地域的な感染が見られるようになり、一般診療所や外来に感冒症状で受診された患者さんが、コロナウイルスなのか、そうでないのか、迷う場面がもうすでにだいぶ出てきました。

「初期には鑑別(しきべつ)ができない」

これがコロナウイルスの特徴です。

コロナウイルスの臨床経過は、感染から約5日間(1〜14日)の潜伏期を経て、発熱、呼吸器症状(咳、喀痰(かくたん)、鼻汁など)などが出現します。

一部の患者さんでは嘔吐、下痢などの消化器症状を呈し、それらの症状が比較的長く、約7日間持続するという特徴があります。

さらに、発熱の程度に比べて、強い倦怠感を訴えることが多いのも特徴です。

普通の風邪やインフルエンザあるいは急性胃腸炎は、発症から3〜4日目までが症状のピークで、その後改善傾向となるのが一般的です。

コロナウイルスとの違いは、症状が普通の風邪にそっくりであるものの、症状の経過期間が長いという点です。

コロナウイルスは、その後、症状が1週間前後続き、約8割は自然に軽快して治癒し、約2割は肺炎を合併します。

ただし、基礎疾患がある場合は、経過の早い段階で肺炎に至ることもあるため、要注意です。

さて、このように初期には診断が難しいので、皆さんにお伝えしたいのは、今後、症状がある時は「自分は、コロナウイルスかもしれない」と、慌てずに自覚しておくことが大事だということです。

ほとんどのコロナウイルスは軽い風邪症状で治りますし、特別な治療薬はまだありませんので、バランスの良い食事を摂り、しっかり休養して体力を高めておくことが大切です。

もう一つ大切なことが、症状が軽い期間でも、他の人に感染をうつすということです。

自分が肺炎にならないために、そして人にうつさないためには、風邪症状のある数日間は自宅でしっかり安静にして過ごしましょう。

少しでも「風邪かな?」と思ったら、仕事はすぐに休みましょう。

基本的には自宅安静で大丈夫

「コロナウイルスかもしれないのに自宅安静なんて、症状が辛くても病院にも受診してはいけないなんて不安」

と聞かれますが、初期の症状は軽いので自宅安静できます。

むしろ自宅安静できないほどに症状が強い時は、それは コロナウイルスの重症または他の病気の可能性もあるので、早めに受診しましょう。

ポイントは自宅安静、1週間経過しても症状が治らない、もしくは、自宅安静してられないくらいしんどい、基礎疾患がある上での風邪の症状がある場合は、ただちに受診しましょう。

でなければ、今の日本の情勢を見る限り、「『風邪かな?』と思ったら、自宅安静」。自分にとっても、他人にとっても大切なことですね。日本をロックダウンさせないために一人ひとりが大切な心がけですね。