備えあれば憂いなし?!ということで、今回は、日本の地震が起こる可能性と地震速報の音についてなど、地震にどのように備えればよいのか?解説していきます。
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地震大国「日本」
日本は世界を見ても地震大国とも言われ、大きな被害にも何度も見舞われてきました。記憶に新しいところでも2011年に起きた東日本大震災や2016年の熊本地震、2018年の大阪北部地震や北海道胆振(いぶり)東部地震等、過去十数年の間にも何度も甚大な被害をもたらす地震が起きているのです。
そこで、今回は地震について触れていきたいと思います。最初に今後どのような地震が起こりそうか、予測をお話した後に、地震に対してどのような備えができるのかを解説していきたいと思います。
1.今後の地震予測
専門家の間でも今後起こりうるであろう地震の予測については意見が別れていますが、以前からよく言われているのが「南海トラフ巨大地震」と「首都直下型地震」の2つで、耳にしたことがある方も多いでしょう。
南海トラフ巨大地震は今後30年以内に80%前後の確率で発生するとも言われており、マグニチュード8クラスの地震になることが想定されています。震源地も関東から九州の太平洋側にかけてと非常に広く、東海から近畿、四国など被災地が拡大することも懸念されています。
このように広範囲で大規模な地震が発生すると日本全体の経済や交通網がストップしてしまい、東日本大震災を上回る未曾有の自体に陥ってしまう可能性があることも否定できません。
津波を警戒
さらに、東日本大震災の際には津波が大きな被害をもたらしましたが、南海トラフ巨大地震も同様に津波の被害が警戒されています。太平洋側のプレートから生じる地震のため、沿岸部に住む人たちは特に津波被害の対策が必要とされているのです。
首都直下型地震については、南海トラフ巨大地震と同様に今後30年以内に70%程度の確率で発生すると言われている地震です。
規模としてはマグニチュード7程度とされているため、南海トラフ巨大地震ほどではないものの、大規模な地震になることはほぼ確実でしょう。
この地震は名称からも分かるように、首都圏を震源地とする地震で、特に東京都南部を震源地として地震が起こった場合の大きさが最大と言われています。
首都である東京で地震が起きた際の経済への打撃はもちろん甚大になることが予想される他、人口が集中している都市圏の人々への生活にも大きな影響が出ることは避けられません。
地盤沈下のリスク
また、これらの大きな2つの地震以外にも最近発生が予測されているのが北海道東部を襲うとされる、千島海溝を震源地とする地震です。過去のサイクルを見ると、4~500年に1度大きな地震が発生しており、前回が1600年代前半だったことから遠くない未来に大規模な地震の発生が推測されるようになったのです。
また、大規模の地震発生前には地盤沈下のスピードが早くなることが分かってきていますが、この北海道東部の地盤も急ピッチで下がってきているのです。
このように、北海道東部も歴史のサイクルや実際の地盤状況を鑑みて、今後30年以内に40%前後の確率で地震が発生すると言われるようになってきたのです。
このように、今後30年以内に起こるとされる大地震が3つも挙げられている上、今後も地盤調査等により別の場所を震源地とする新たな大規模地震が予測される可能性も0ではありません。
地震大国日本に住んでいる以上、地震と向き合い、上手に付き合っていくことが必要と言えるでしょう。大規模地震が予測されても正しく恐れ、きちんと備えることで被害も最小限に抑えることが可能になります。そこで、次に地震に対して具体的にどのような備えができるのかを解説していきたいと思います。
2. 地震への備え
<転倒・落下対策>
地震が起こった際の被害の多くが物の落下や転倒による怪我であると言われています。家の中を見渡してみると、多くの家具が置かれていることに気づくでしょう。
それらは全て固定されているでしょうか。今はキャスター付きの家具なども多くて便利なことも事実ですが、地震の際には命取りとなる可能性もあります。
リビングや寝室など過ごしている時間が長い部屋の大きくて重たそうな家具はきちんと固定をすることで、万が一地震が起こった際もリスクを抑えることができます。
さらに、大型の家具だけではなく、家の中に物が山積みになっている箇所はないかも確認しましょう。
例えばラックなどの高いところに本や雑誌が山積みになっていないか確認してみてください。
飾り棚などにガラス製の置物や花瓶などをディスプレイしている方もいらっしゃるでしょう。普段の生活ではインテリアとして楽しんでいるものや整理整頓が行き届いていない場所でも、地震の際は本が崩れ落ちてきて避難時の通行の妨げになったり、ガラスや陶器の破片が割れて飛び散って危険な目に遭ったりする可能性もあるのです。
インテリアを趣味にしている方も多いと思うので全く何も飾らないようにするというのは難しいかもしれませんが、落下時の影響を抑えるために小ぶりのものにしたり、低い場所に飾ったりするなど工夫をされるとより安全性が高まると言えるでしょう。
素材も割れると危険なガラスや陶器ではないものでもおしゃれなものも出ているので、探してみると良いでしょう。
家の中の物の転倒や落下により、逃げ道が塞がれてしまうことも被害の拡大につながります。重要なのは、玄関や窓など、外につながるまでの導線上で倒れてくる危険があるものがないかを確認することです。
万が一地震が起こり、家の中のものが散乱したとしても、出口までの導線が確保できるのであれば最低限避難することができます。
意外にも玄関前には傘立てや靴箱など、倒れて邪魔になりそうなものは多いものですし、ベランダはリビングとつながっていることも多いため、背の高い本棚やテレビ台などを置かれていると倒れた時に避難がしづらい状況にもなりかねません。出口付近には物を置かないようにすることが賢明だと言えるでしょう。
今は技術の進歩により強固な耐震性を備えた住宅も多いですが、地震の揺れのタイプも様々ですし、大きな地震が起こった際に家の耐震性がどれほど効果を発揮するかも未知数です。
耐震性はもちろん重要ですが耐震性を過信せず、できる限り家の中の危険を減らすことが被害の縮小につながると言えるでしょう。
<備品対策>
いざ避難となった際に最低限必要となるのが飲食物や衣類などの生活必需品です。地震が起こった際も、今は避難場所に飲食物やトイレットペーパーなどの衛生品などが比較的迅速に手配できることも多くなってきました。
しかし、南海トラフ巨大地震のように被害が広範囲にわたることが想定されているような地震だと物資が届けられるまでに時間がかかることも想定されます。そのため、できる限り自分自身でも用意をしておくことが重要です。
具体的には
- 水や食料:3日分(水は1人あたり1リットルで計算。割り箸や使い捨てカトラリーなども忘れずに)
- トイレットペーパー、ポータブルトイレ、ティッシュペーパー、ウェットティッシュ、ビニール袋(ゴミ捨て用や荷物をまとめるためなど、あると便利です。かさばらないので入れて起きましょう)
- 下着や衣服などは最低限用意しておくようにしましょう。
また、ご自身の家族構成によっても必要なものは異なってきます。乳幼児がいる家庭であればおむつやおしり拭き、粉ミルクや離乳食など、月齢に合わせたものが必要になります。
高齢者がいる家庭であれば、普段から服用している内服薬や外用薬、治療用の注射セットなど毎日使用できないと困るものもあると思います。また、嚥下(えんか)が困難な方であれば乳幼児と同様にとろみ素材のレトルト品や、日頃から大人用おむつを着用されている方はおむつ等の持参も必要です。
非常食として以前は乾パンなどが主流でしたが、今はゼリー系飲料やカロリーメイトのようなバータイプのものなど、カトラリーがなくても手軽に食べられて栄養補給ができるものも多くあります。
また、缶詰なども日持ちがするので常備しておくと良いでしょう。他にもエネルギー補給になるような塩味の飴や溶けにくいチョコレートなどもおすすめです。
パックごはんも良いと思いますが、電子レンジなどの家電がないと食べられないものですし個数があると重さにもつながるため、より軽くて調理が不要なものが望ましいと言えるでしょう。
他にも、避難の際は通帳や印鑑といった貴重品もすぐに持って出られるようにいつもまとめておくと良いでしょう。
防犯上の理由から分けて保管している方もいると思いますが、いざ避難となると時間がないこともあるので、分けて保管する場合でもすぐに用意ができる近い位置に保管しておくことをおすすめします。
<避難経路対策>
避難経路をしっかり把握しておくことも非常に重要です。地震が発生しても助かる方の多くが早めの避難を心がけていることが分かります。
最近では巨大地震とまではいかないクラスの地震や余震であっても自治体が避難を呼びかけたり、高齢者や乳幼児を連れた家族など、迅速な避難が難しい人を対象に早めの避難を促したりする動きも多く見られます。
このように、自然災害が発生した際の避難は重要な身を守るための有効な手段であるのです。
まずは自宅にいる場合の避難場所がどこになるのか、そこに行くまでの避難経路はどの道になるのかを確認しましょう。
車で通りすぎているだけではなかなか細部まで注視することはないと思うので、できる限り家族全員で避難経路を歩いて確認することをおすすめします。
以前大阪で地震が発生した際も、ブロック塀が崩れてきて被害に遭ってしまった子どももいるなど、避難経路途中の危険物についても注意を払うことが必要なのです。
もし危険そうな場所があれば自治体に連絡をして対策をしてもらうのも一つの手でしょうし、避難時に危険箇所から距離を取りながら避難をするなど意識することで被害を防ぐことも可能になるでしょう。
さらに、職場やよく出かける先など、自宅以外の場所にいた時の避難場所についてもある程度把握しておくと安心です。
職場であれば防災訓練などを定期的に行っているところもあると思いますし、主婦の方などであれば普段よく行くスーパーや子どもの送り迎えに使う道、児童館や図書館、公園などよく子どもと行く場所の近辺についても理解を深めておくことで万が一の際にも慌てることがありません。
公共施設で職員がいる場所であれば誘導してもらえることもあると思いますが、地震などの際はパニックにも陥りやすいので、きちんと理解しておくことが冷静な判断にもつながります。
さいごに
以上、日本の地震事情についてお話してきました。
地震の発生は人の力では抑えることができない自然災害に当たります。しかし、一人ひとりが地震に対して正しい知識を持ち、きちんと備えることで被害は最小限に抑えることが可能です。
今後予測されている大型地震が実際に起こった際にもしっかり対応ができるよう、今から個々人ができることを行うことが重要だと言えるでしょう