こんにちは、アルケミストです。本日は、MMT理論とは?またMMT理論に対する批判など現代貨幣理論入門から読み解きます。
Contents
社会保障税、消費税、法人税も必要ではない?
最初に、政府は自らの支出を賄う資金を得るために租税を必要としていません。このため社会保障税、消費税、法人税も必要ではないかもしれないということをお伝えしておきます。
いままでのことはなんだったの?ちょっともしかすると国に騙されていたのかもしれない!
さらに、このMMT理論に対する批判としては、ハイパーインフレとの相関関係がなくてもインフレが起こること前提でやはり、資産は目減りするのではないか?という計算を最後にお伝えします。
MMTは基本的に,「自国通貨を発行できる政府は、財政赤字や債務比率を気にすることなく、躊躇なく財政出動するべきだ」という考えに立脚しており、異端の経済学として扱われています。
「人々が貨幣を需要する理由は租税にある」ってもう何がなんだかわからないですね。
ここらへんから、詳しく説明していきましょう。
商品貨幣論に対し、現代貨幣理論とは?
まず、一般的に「貨幣は物々交換に代わる便利な交換手段として使われるようになった」と理解されています。
政府発行の紙幣は、人々が受け取り続ける限り価値があり、貨幣としての役割を果たすというわけです。
このような主流派経済学の「商品貨幣論」に対し、MMT(Modern Money Theory、現代貨幣理論)では、人々がお札という単なる紙切れに通貨としての価値を見出すのは、その紙切れで税金が払えるからだとしています。
また政府は通貨を創造できるので、租税収入は必要なく、自らの通貨について支払い不能となることはあり得ないのです。
このようなMMTの主張を理解するためには、基本的なマクロ会計の知識が必要です。
赤字が金融資産を生み出す?
まずすべての金融資産には、その裏返しとして同額の金融負債が存在します。たとえば政府部門と民間部門で構成される閉鎖経済では、民間部門が黒字であれば、政府部門は赤字にならなければならないのです。
この2部門に海外部門を加えた開放経済においても同様で、1つの部門が金融資産を蓄積するためには、他の2部門を合算した純金融負債が同じだけ増える必要があるのです。
つまり赤字が金融資産を生み出すというわけです。
次に「主権通貨」の概念を検討していきましょう。
従来、政府が発行する主権通貨を民間部門が受け取るためには、「金などの貴金属と交換可能である」という裏付けが必要とされてきました。
しかし米ドルや日本円のような主要通貨において、このような裏付けは必要ありません。
それでは、なぜ誰もが日本やアメリカ政府の発行する通貨を受け取るでしょうか?それは政府の通貨が、政府に対して負っている租税などの金銭債務の履行(要は借用書のようなもの)において利用されるものだからです。
政府が租税を必要とするのは、歳入を生み出すためではない。通貨の利用者たる国民が、通貨を手に入れようと労働力、資源、生産物を政府に売却するように仕向けるためです。
つまり通貨に対する需要を創造することが、租税の目的なんです。これが信用創造ということですね。
ですので、政府は「キーストローク(キーボードを叩いてコンピューターに入力すること)」さえ実行すれば、バランスシートへ電子的に記帳できます。(=支出できるということです)。
本当の信用創造の意味
たとえば銀行から借り入れをするケースだと、銀行は返済をうける約束と引き換えに、貯金口座に融資額を振り込みます。
銀行は前もって貯金をする必要はまったくないし、金庫の中の現金も必要ない。コンピューターに融資額を入力したに過ぎないのだ。
当然ながら銀行は要求があり次第、貯金を現金に変換しなければならない。そのため銀行は現金準備を行う。
現金が銀行から引き出されると、中央銀行にある銀行の準備貯金がその分引き落とされるとともに、銀行は貯金者の口座から同額を引き落とすのです。
このとき貯金者が引き出した現金は中央銀行の負債であり、それは中央銀行に対する銀行の負債によって相殺される形となる。
中央銀行を頂点とした負債ピラミッドにおいて、下層にいる者は銀行の負債を決済に使い、
銀行は政府の負債(中央銀行の準備貯金)を銀行自身の負債の決済に使っているわけですね。
政府が「キーストローク」だけで支出できるのであれば、なぜ政府は課税するのでしょうか?
その答えは、貨幣に対する需要を創造することにあります。租税により納税者の貨幣への需要が上がるので、政府は貨幣を発行してモノを買えるのです。
それが、政府は自らの支出を賄う資金を得るために租税を必要としていないという理由です。このため社会保障税、消費税、法人税も必要ではないかもしれないということです。
それではMMTにとって、為替相場制度はどのような意味を持っているのでしょうか?
為替相場も同じ
現在の変動為替相場制度の下だと、為替レートは需要と供給がマッチするように変動します。
政府は為替市場に介入し、為替ルートを望ましい方向に誘導することもできるし、金融政策や財政政策などのマクロ経済政策を利用することもできます。
変動相場制は、政府に多くの裁量余地をもたらすのです。
このような為替相場制の議論は、基本的に「一国家、一通貨」が原則である。この原則が通用しない大きな例外がEUです。
ギリシャやスペイン、イタリアなどのEU各国には、債務危機が訪れた。ところがこうした国々よりはるかに高い財政赤字比率や政務債務比率をもつ日本は、危機を回避しました。
なぜなら日本は「キーストローク」により、円を必要なだけ記帳して生み出せるからです。
このように自らの主権通貨を発行できる政府の場合、デフォルトすることはありえません。
一方で外貨を採用する政府は、デフォルトリスクにさらされることになります。ギリシャやスペイン、イタリアなどのEU加盟国は自らの判断で財政赤字を増やせないため、債務危機に陥ったということになります。
多くの先進国が採用する、変動レートの自国通貨を発行する政府は、どのような政策を採用するべきなのでしょうか?
こうした国の政府は「キーストローク」で支出できるが、それはそうすべきだという意味ではありません。
政府支出は物価・賃金のインフレを引き起こす懸念があり、為替レートに与える影響も慎重に考慮する必要があるのです。
ハイパーインフレがやってくるのか?
そこで、批判として、MMTはハイパーインフレを引き起こすのか?という疑問が生まれます。
政府がMMTの主張に沿って運営されたら、我々は破滅的なハイパーインフレへの道をたどるのではないかと、多くの論者が心配しています。
その根底にあるのは、「政府が紙幣を印刷しすぎると物価の上昇を引き起こす」という、
マネタリストの貨幣数量論にあります。
しかしハイパーインフレが起きるのは、きわめて特殊な状況のときだけです。
これまでのハイパーインフレは、社会的・政治的大混乱、内戦、生産能力の崩壊、弱い政府、巨額の対外債務などにより発生しています。
変動為替相場制で自国通貨を発行する国は、非常に大きな自由度をもって国内政策目標を追求できます。
過去1世紀の間、西洋の民主的資本主義国と言われる国が、ハイパーインフレを経験した事例はありません。
とはいえ、MMTはハイパーインフレの原因を完全に理解しているわけではありません。
本書を一読すると、いつの間にか「商品貨幣論」の前提のもと、「政府も家計と同様に健全財政を目指すべきだ」という常識に捉われていたと気づかされました
MMTに対してはさまざまな見解が存在しますがが、いずれにせよ従来とは異なる視点で経済政策を考えるきっかけとなるのは間違いありません。
最後に、MMTの理論と相関関係はなくとも、貨幣数量論に基づくインフレが起こるという前提で理論上の計算してみました。乱暴ですが私としてのひとつの結論づけになります。
現状、日本の預貯金合計は1500兆円。政府の借金は1000兆円。政府は、毎年、50兆円借金します。
まあ、早い話が、十年後に破綻だ。対外債権が500兆円あり、対外債務が200兆円あるので、300兆円分延命する。
つまり、六年間だ。
もう何がなんだか?!笑
十六年後、日銀は円を毎年50兆円刷りはじめる。円の流通量は現在、80兆円であり、一年で、まあ、計算しやすく、二倍のインフレするとします。
日本の五十歳以上の資産が1200兆円、若者の資産が200兆円なので、日本は極端なインフレ経済になり、貯金の価値は毎年半減します。
問題は、若者(49歳以下)の労働に対する賃金の価値の比率です。。
毎年の日本人の労働量が円換算で500兆円ある。これに対し、国債歳出費は、25兆円です。
500:25の割合で借金を支払っている。
まず、国債が5%まで暴落したとすると、国債歳出費は、利払いが7兆円から50兆円に増えるので、68兆円となる。
国債が5%に暴落した時の日本の労働量500兆円は、68兆円の借金返済を毎年することになる。
500:68だ。
負担は、今の2.5倍だ
日銀が円を80兆円刷ったとすると、円は二倍にインフレするので、
労働量は1000兆円になり、国債歳出費は、68兆円のまま。
ただし、1500兆円の日本の預貯金の資産価値は半減します。
すなわり、750兆円の負担増ということになりあす。この場合、労働1000兆円に対して、借金による負担増は816兆円。
1000:816です。
次の年に、また80兆円の円を刷ったとすると、円は1.5倍にインフレするので、労働量は1500兆円だ。国債歳出費は68兆円。
1500兆円ある預貯金の価値が三分の一減るので、負担500兆円だ。労働量1500兆円に対して、借金返済負担は、568兆円となる。極端なインフレでは、借金の価値は減るので、年がたつほど、借金負担は減額します。
二年目は、
1500:568します。
ハイパーインフレ一年目で750兆円の損をするのは、50歳以上の老人。
ハイパーインフレ二年目で500兆円の損をするのも、50歳以上の老人。
さいごに・結論は破綻しない?!
という結果となります。ご覧の通り、計算上間違いなく国家の財政が破綻することはないでしょう。お札刷れるんですからね。
しかしながら、こう考えると、現在預金を持っている人はやはりなんらかの手段で保全戦略を取る必要がありますね。日本人は、日本の通貨のみ保有している人が多く、世界から見るとあきらかに異常値です。
現在預金を持っていない人は、これからも遠慮なく消費していきましょう。無敵ですね!